【DM】旧枠2ブロ 十王編4弾環境総括
結局最後の追加パックは四強集結でしたね。
十王編4弾環境の変遷
5か月の間ほぼ変化のないカードプールに対し、環境の構造は少しずつではあるが変容を見せていた。
10月環境からの特に大きな変化は、《音感の聖霊龍 エメラルーダ》+《支配のオラクルジュエル》の強力な受けパッケージ、通称「ルーダオラジュ」の追加である。
これにより5ターン目までに多大なアドバンテージを得ることができないビートダウンデッキはほぼ死滅。コントロールデッキにとっても、縦展開にも横展開にも裏目が存在してしまう環境となり、環境は格段に低速化することとなる。
【赤青リーフ】
https://gyazo.com/03452a49f1a89e7bbff9d80554321525
《アストラル・リーフ》の追加によって実現した、これまでのアグロを過去にする「リソースの切れない高速ビートダウン」。
《斬隠テンサイ・ジャニット》で《アストラル・リーフ》をバウンスして手札を増やすことによる長期戦プランも可能で、見た目に反してかなり器用なデッキとなっている。
《猛禽剣兵チックチック》は出して1ドロースピードアタッカーで損をせず、場に残れば《アストラル・リーフ》に進化することも可能で、このデッキのレベルを数段階上げている一枚。
色が合わないが《支配のオラクルジュエル》が入っているのがこの環境の異様さを物語っている。このカードを手打ちするために《フレイムランス・トラップ》や《終末の時計 ザ・クロック》を数枚《スネーク・アタック》《ダイヤモンド・ソード》などに変える構築も一部で研究されている。
【4cハンデス】
https://gyazo.com/237e28e790700ab180272c13c842c888
前環境でドロマーコントロールを倒すために開発された「ソリューション」の現環境バージョン。
「ソリューション」とは程遠くもはやメタられる側に回ってしまったが、その出力はまだまだ現役と言える。
山札を減らさないリソース拡充カードを使いながら縦の除去を重ね、《ピクシー・コクーン》+《霊騎ラグマール》によってリソースを伸ばしながら蓋をするコンセプトはそのままに、より受けの固いパッケージとして「ルーダオラジュ」を採用。
得意な縦展開はもちろん、苦手だった相手の横展開に対してもオラジュぶっぱから殴り返しで対応可能になっている。
フィニッシュは相変わらずほそぼそと殴っていくか相手のデッキ切れを待つかの択だが、《ゴースト・タッチ》の登場によりコントロールモードに入るまでの速度が以前より上がっている。
【4cドラゴンミッドレンジ】
https://gyazo.com/0dabffd0536af4410234098f224061a7
《龍仙ロマネスク》によって墓地に《黒神龍グール・ジェネレイド》を送ることで除去耐性を付与し、ルーダオラジュのバックアップを受けながら殴っていくデッキ。初動9採用により《音感の聖霊龍 エメラルーダ》《龍仙ロマネスク》の着地を安定化させ、先手後手による不利を受けにくくなっている。
アグロデッキに対しては《火焔タイガーグレンオー》も回答になるため、野良トリガーによる受けも固く、ほぼトリガービートのような感覚でプレイすることができる柔軟なデッキとなっている。
【4cハンデス】に対してはそのまま戦うと微不利だが、《龍仙ロマネスク》のブーストを使わず、相手の除去が尽きるまで《月の死神ベル・ヘル・デ・スカル》をぐるぐる回し、《ナチュラル・トラップ》《ピクシー・コクーン》が減ってきたタイミングでじわじわ殴り始める、といった地味なプレイを取ることにより、相手の引きがよほど良くなければ五分以上に持ち込むことができる。
【ドロマーリエス】
https://gyazo.com/72c9c46f74889c176ec9f9a89d1211fc
【ロードリエスコントロール】もとい【ロードリエスコンボ】、通称【ロリコン】。
《知識の聖霊ロードリエス》→《ガード・グリップ》or《ロスト・ウォーターゲイト》→《魔光騎聖ブラッディ・シャドウ》や《マリン・フラワー》《墓守の鐘ベルリン》連打→《ダイヤモンド・ソード》で締め、という、かつてのヒラメキスネークを彷彿とさせる爽快感の高いコンボデッキ。
環境のデッキの多くが除去をルーダオラジュパッケージに頼っており、ロードリエスが盤面に残りやすい環境になったことで日の目を浴びることとなった。除去が多く搭載されている【4cハンデス】には《アストラル・リーフ》が絡まなければ非常に不利だが、それ以外のデッキに対してはかなり有利に立ち回ることができる。
《ロスト・ウォーターゲイト》はコンボ中にブラッディシャドウをサーチするカードとして入っているが、ビートダウン対面ではオラクルジュエルをデッキトップに置きながら《腐敗聖者ベガ》で盾に送るプレイングも存在する。ロードリエスを持ってくるためのカードとしても有用なため役割は多く、手札1枚損する価値があるカードと言える。
《ガード・グリップ》の枠は自由枠。《エマージェンシー・タイフーン》と選択になっていることが多い。
今後の展望
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ローテーションによりこれら9種のカードがスタン落ちする。
たった9種とは言え、この記事を一通り読むとわかる通り環境に与える影響は大きく、特に赤黒緑+ルーダオラジュ系の4cコントロールは《霊騎ラグマール》《龍仙ロマネスク》といった主要パーツを失うため、ハンデス型、ドラゴン型ともに構築の変化を余儀なくされるだろう。
本記事で紹介したデッキでは【赤青リーフ】【ドロマーリエス】といったアストラルリーフデッキがほぼ無傷で残っており、これを中心に環境が推移していくことは間違いない。
なお、新弾では「GS」というシステムにより旧版カードがリメイクされることが発表されており、悲しいことに旧枠カードの再録が見込みづらい状況となっている。
実際にどのような環境となるかは蓋を開けてみなければわからないが、来期はカードプールの狭い氷河期環境となる可能性が高い。旧枠2ブロックに明るい光が差すことを祈って、十王編環境の締めくくりとしたい。